文系大学院生の読書録

詩・ミステリ・たまーに洋書

しみじみ

親に優しくできない。「昨日」W.S.マーウィン

"Yesterday" by W.S. Merwin *** 私はいい息子ではないと、歳上の友人が言う。両親に会いに行くことは稀で、同じ町に住んでいた時でさえ、月に一度くらいだったから。最後に会ったとき父親は私の話を聞きたがったけれど、私が腕時計を見たのに気づいて、…

不安なときは。「野生のものたちの静けさ」ウェンデル・ベリー

"The Peace of Wild Things" by Wendell Berry *** When despair for thr world grows in me and I wake in the night at the least sound in fear of what my life and my children's lives may be, 世界への絶望が、自分の中で大きくなって 自分の人生…

肋骨の間から「穴掘り」ドナルド・ホール

"Digging" by Donald Hall *** ユリが地面から顔を出した日の深夜、庭仕事を終えた「君」の指は汚れ、目は喜びでぼんやりしている。 寝室の窓から入ってきた南風。「君」はその腕に抱かれ、家の外に運び出され、ひび割れた地面に落とされる。(そしてその…

親が死んでも花は咲く「尋ねられたときには」リーゼル・ミューラー

"When I Am Asked" by Lisel Mueller なぜ、人は詩を書くのでしょうか。 「どうして詩を書くようになったのか」と聞かれると、詩人は「自然の無関心」について話すのだといいます。 詩人の母親が亡くなってすぐ、それは「すべてのものが咲き誇る」「輝くよう…

乗ってみたい?「タイタニック」デイヴィッド・スラヴィット

"Titanic" by David Slavitt その運命を知っていたら、誰だって乗船しようとは思わないタイタニック号。 けれど詩人は「誰がタイタニックを嫌いになれるだろう?」「明日同じ航路のチケットが売り出されたら、誰が買わずに入られるだろう?」と話す。 なぜ?…

優しくてちょっと厳しい詩 Mary Oliverの"Wild Geese"  

Mary Oliverの"Wild Geese"。こちらのウェブサイトで原文が見れます。 (http://www.phys.unm.edu/~tw/fas/yits/archive/oliver_wildgeese.html)もともと友人に教えてもらったのですが、読み手に寄り添ってくれるような優しい詩です。疲れた心に染み入りま…